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厚生労働科学研究で把握した健康危険情報の通報(要旨)
1.通報者等
| (1)通報年月日 |
平成16年3月29日 |
| (2)主任研究者 |
神谷正男 |
| (3)研究課題名 |
動物由来寄生虫症の流行地拡大防止対策に関する研究 |
| (4)所属施設名 |
北海道大学大学院獣医学科研究科動物疾病制御講座寄生虫学教室 |
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2.報告内容
| (1)北海道内の飼い犬におけるエキノコックス感染例 |
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平成15年4月〜16年2月に、北海道内の獣医師の協力を得て、道内の1139頭の飼い犬のエキノコックス感染の有無について、虫卵検査及び抗原検査(EmA9-ELISA糞便内抗原検出法)で診断を行ったところ、3頭の飼い犬に感染が確認された(虫卵検査及び抗原検査でいずれも陽性で排出卵はDNA検査によりエキノコックスと確定)。関係の獣医師に対しては、感染が確認された飼い犬に対し駆虫薬の投薬等が必要である旨指導を行った。 |
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| (2)
北海道から移動する犬のエキノコックス感染疑い例 |
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平成15年9月〜16年2月に、北海道から飼い主の観光や転居などによって道外へ犬を移動する飼い主に呼びかけ、移動する69頭の飼い犬のエキノコックス感染の有無について、国立感染症研究所で検査を実施した。虫卵検査及び抗原検査(ELISA糞便内抗原検出法(CHEKIT-ECHINOTEST, DR.BOMMELI AG,スイス製))で診断を行ったところ、2頭の飼い犬に感染の疑いがあった(駆虫薬の投薬前の虫卵検査は陰性、抗原検査は陽性であったが、駆虫薬投薬後の検査で抗原検査が陰転したことから、感染の疑いが示唆される)。 |
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3.その他
エキノコックスに感染した飼い犬は、飼い主への感染源となる可能性があることから、健康危険情報として報告をするものである。 |
北海道に犬を連れて旅行される方等への指導の要点
1.飼い犬もエキノコックスに感染する可能性があること
| (1)エキノコックスの感染サイクル |
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エキノコックスに感染した犬・キツネ等(終宿主)の腸管には成虫が寄生し、糞便中に虫卵が排出されます。この虫卵にネズミ等(中間宿主)が経口感染すると腸管でふ化した幼虫が肝臓などで増殖します。幼虫を持った感染ネズミを犬・キツネ等が捕食すると感染し腸管で幼虫が成虫に発育します。北海道においては通常、キタキツネ(終宿主)とエゾヤチネズミ(中間宿主)でこの感染サイクルができます。 |
| (2)飼い犬の感染の機会 |
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北海道で飼い犬がエキノコックスに感染する機会は、通常、エゾヤチネズミを捕食することによります。今回の調査結果でも、感染が確認された3頭及び感染の疑いがある2頭の飼い犬は、いずれも夜間等に放し飼いをしており、一部の犬はネズミを捕食していたことが目撃されています。 |
| (3)飼い犬の感染防止 |
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飼い犬の感染防止には、放し飼いをしないことが最も効果的です。 |
| (4)感染した可能性のある飼い犬の検査・駆虫 |
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感染の有無は検査によって確認できます(下記4を参照)。感染している場合でも、一回の投薬でエキノコックスの駆虫に有効な薬剤(成分名:プラジクアンテル)がありますので、獣医師の指導のもとに駆虫することが可能です。
今回の調査で、エキノコックスに感染、若しくは感染した疑いのある飼い犬についても、これによって駆虫が行われました。 |
2.
飼い犬の感染防止は飼い主の健康危害防止に重要であること
| (1) |
飼い犬がエキノコックスに感染していると、上述の1(1)のように犬の糞便を介して、犬に身近に接触する飼い主が感染する可能性が生じます。 |
| (2) |
犬の放し飼いをしないことで犬の感染は防げ、飼い主の健康危害防止にも役立ちます。 |
| (3) |
ネズミを捕食した可能性のある犬については検査が必要です(下記4を参照)。 |
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3. 北海道庁等は犬の放し飼い防止の啓発を行っていること
北海道庁のホームページ「エキノコックス症の知識と予防」では、犬の放し飼いを絶対にしないよう呼びかけを行っています。北海道に犬を連れて旅行される方への事前の啓発が重要です。 http://www.pref.hokkaido.jp/hfukusi/hf-hyobo/ekino/ 4.
北海道からの移動犬の検査については「動物由来寄生虫症の流行地拡大防止対策に関する研究」班が行っていること
研究班の連絡先:
(上記のホームページでは、エキノコックスに関する情報の提供も行なっています) |