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静岡県内の一イヌ繁殖施設において飼育犬の間にブルセラ症の流行がみられた。現在までのところ従業員等、ヒトへの感染は確認されていないが流産組織や飼育環境との接触等によるヒトへの伝播の危険性は否定できない。同繁殖施設では感染犬が多数飼育されていることから、施設に関わる従業員等の健康危機管理対策の徹底をはかる必要性があると考えられる。
参考
1.イヌブルセラ症の原因菌
Brucella canisはBrucella属菌の一菌種で、自然界の宿主はイヌである。
2.ヒトのBrucella canis感染
ヒトへの伝播はおもに流産胎児や悪露等との接触が原因とされ、これらに関わる職業上の感染機会が多い。
ヒトに対して感染性を有するBrucella属菌のなかでは病原性は最も弱く、波状熱のような重篤な例はまれである。
わが国におけるヒトのBrucella canis感染の報告はきわめて希である。これは症状が軽い、もしくは他の疾患と誤認されていたためと考えられる。
最近では2002年に東京都で発生した症例(感染症発生動向調査)や慢性疲労症候群の原因と考えられた症例(感染症学会東日本大会、2003年)がある。
3.イヌのBrucella canis感染
イヌからイヌへの伝播は経口と交尾(精液、尿、流産胎子、悪露、子宮分泌物)が感染源となる。
感染犬の症状は生殖器病変(雄イヌ)や胎盤炎と流産(雌イヌ)である。血清学的な調査では、わが国では飼い犬の1〜6%が感染症を持つとされるが実態は必ずしも明らかではない。世界的には北米、ヨーロッパ、南米、東南アジアなどから報告されている。テトラサイクリンの長期投与が有効とされているが、中止後再び菌血症があらわれ、再発する場合が多いとされる。
ワクチンは実用化されていない。集団飼育施設では抗体陽性犬を隔離、淘汰することが有効とされる。
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