我が国農業の基幹的部門の一つである畜産農業において、飼育規模の拡大等を背景とした慢性疾病の顕在化や家畜の生産機能に密接に関連する疾病の発生の増加等が生産性の向上を図る上での阻害要因となっている。また、近年の国民の健康意識の高まり等を背景として、食品の安全性に対して大きな関心が注がれている。
このような中、産業動物獣医師に対しては、飼養規模の拡大に対応し従来の個体診療はもとより、農場単位での集団管理衛生技術の提供を行うことが求められており、農場段階へのHACCP手法の普及等の幅広い獣医療の提供が要請されてきている。一方、産業動物獣医師の高齢化や地域的な偏在、農業関係団体等における産業動物獣医師の新規参入機会の減少等の問題が顕在化してきており、畜産の振興を図る上で障害となっている。
このため、獣医学を専攻する学生のうちで産業動物獣医師を志す者に対し産業動物獣医師修学資金(以下「修学資金」という。)を給付する事業につき、農畜産業振興事業団(以下「事業団」という。)が社団法人中央畜産会(以下「中央畜産会」という。)に助成し、その修学を経済的に援助することにより、有能な産業動物獣医師の養成及び確保を図り、もって産業動物診療体制の整備に資するものとする。 |