農林水産分野
乳牛をはじめ牛肉、馬、豚、鶏など家畜の診療と病気の予防、飼養衛生管理の指導などを受け持つ獣医師が、畜産振興の影の力になっています。又、家畜の伝染病防疫や家畜の改良増殖の仕事も獣医師の仕事です。
このほかに、魚病の診断、防疫のために水産試験場の技術者など水産関係者と堅密な協力体制のもとに対応するなど幅広い活動を展開しています。
動物検疫:家畜の伝染病が国内に持ち込まれることを防止するため、外国から日本に動物を輸入する場合には、農林水産省動物検疫所で一定期間、隔離、けい留して検疫を受けることが義務づけられています。検疫期間中に臨床検査、血清学的検査、微生物検査などのさまざまな検査を行い、病気の有無を調べます。また、肉類、卵、皮類、毛類、などの畜産物も検査の対象です。
このような仕事に従事する家畜防疫官の仕事も獣医師の仕事です。動物や畜産物を輸出する場合にも、検疫を受けなくてはなりません。
家畜伝染病の国内防疫:牛の流産の原因となるブルセラ病摘発のため血清学的検査、結核を発見するためツベルクリン検査などの畜産農家の財産を守り、病気の発生を防ぐ仕事に家畜保健衛生所の獣医師が従事しています。農林水産省家畜衛生試験場では、家畜に発生する疫病をいち早く発見する方法を探り、その予防、治療のための研究や高度な技術を応用したワクチンなどの開発が行われています。
また、農林水産省動物医薬品検査所では、ワクチン、抗生物質製剤などの品質基準テストなどを行っています。また、品種改良や肉牛増産などに農林水産省種畜牧場、畜産試験場、県の関係機関などの獣医師や畜産技術者が取り組んでいます。
公衆衛生分野
私たちが毎日口にする肉や牛乳、魚介類などの食品の安全を確保するために獣医師は、いろいろな検査にたずさわっております。
と畜検査:安全な食肉を供給するためには、病気にかかった動物の肉、細菌に汚染された肉、薬物が残留している肉などを発見し排除しなくてはなりません。そのために、生体検査、内臓検査、枝肉検査などの検査を行い、安全な肉だけが流通するよう食肉衛生検査所の獣医師が、毎日検査をしています。そして、検査に合格したものだけが、市場に流通しています。
食品衛生監視:人が口にする食品の衛生を監視しています。たとえば、販売されている牛乳では、タンクローリーで工場に到着した原乳は、その場で細菌検査、成分規格検査が行われ、合格したものだけが工場内に搬入され製品化されます。そして、製品化された牛乳についても、成分規格検査のほか、保存試験、増菌試験などの検査が行われます。また、流通販売過程でも、あらゆる食品とともに、その安全性を確保するため、都道府県・市の保健所の獣医師などの食品衛生監視員によって絶えずチェックされています。
検疫:厚労省の検疫所では、海外からコレラ、ペストなどの人の伝染病が国内に侵入することを防ぐため、獣医師も検疫官として従事しています。人畜共通感染症の予防:動物から人に伝染する恐ろしい病気の予防をするのも獣医師の大切な仕事の一つです。国立予防衛生研究所、各都道府県の衛生研究所などの獣医師が、調査活動、研究活動を通じてその対策に取り組んでいます。
小動物臨床分野
最近、ペットと呼ばれていた動物たちが、コンパニオンアニマル(伴侶動物)と呼ばれるようになり、人の支えになるように成ってきました。その動物たちを守っているのが、小動物臨床に従事している獣医師です。
動物愛護分野
私たち獣医師は、『動物に親しみ、動物を愛するといる行為を通じて「いのち」の大切さ、かけがえの無さを感じ取ってほしい。』こんな願いを込めて、動物愛護思想の啓蒙と普及のために多くの活動を積極的に推進しています。又、コンパニオンアニマルとの正しい付き合いかたなど適性飼養に関する指導に対応しています。又、老人ホームなどの施設のでのコンパニオンアニマルとのふれあいと人と動物の絆をもとにした社会福祉活動にも努めています。
パラメディカル分野
新しい医薬品・動物用医薬品を研究開発するために、その効能や副作用などを確認するための方法の一つとして行われているのが動物実験です。被検動物に対する有効性などについて、動物に不必要な苦痛を与えないように配慮しながらさまざまな医薬品の開発を行っています。
野生動物関係分野
地球上に生息するさまざまな動物たちを動物園、水族館などの環境で、適正に飼養し、又繁殖させていくため獣医師のノウハウを最大限に活用して健康管理に気を配っています。また、希少動物の保護と繁殖などの研究にも携わっています。
海外関係分野
最近、あらゆる産業経済の分野で国際化が起こり、国際協力の実践が求められています。アジア、アフリカなどの発展途上国で牛、豚、ひつじ、やぎ、鶏などの家畜の健康管理、病気の診断、予防などの家畜衛生体制の整備や動物用医薬品の検定体制、獣医学教育体制などの整備に関する指導、援助などの技術協力を行うために、獣医師の派遣、海外からの研究生の受け入れなどを行っています。 |